五月の終わり

 今年の五月は荒れ模様で、頚椎病みには過酷だった。

その分、晴れた日は格別の清々しさを味わえた。

 戯曲や作詞をやっていながら、小説を手がけると散文の難しさに苦労する。5月から始まったニコニコ動画の朗読用小説は、あらためて勉強になることが多い。

 戯曲のト書きはなるべく一行で済ませるべく書くので、

”振り向くと、中学時代からの共介のバンド仲間の少年たちが3人、由紀に手を振っていた。”と、情報を詰め込んで書いてしまった。

”振り向くと、少年たちが由紀に手を振っていた。恭介の中学時代からのバンド仲間だった。”と、情報を分けたほうが聴くほうは判り易い。

一回の朗読が12、3分で、400字の原稿用紙にして12、3枚。会話の方は問題ないが、地語りの部分では直したい箇所が随所に出てくる。一週間前に原稿を渡す約束は守っているのだが、渡したあとで”改稿”していると、本番前まで直し続けてしまう。

 一冊の本にまとめる時には、相当違った文章になっている気がする。しかし、書けなかった小説が書けるようになると思うと、この苦労も楽しい。ところが…

 昨日の本番後、麻草郁くんから、鋭い指摘を受けた。

「浮かんだ映像をそっくり文章にしようとしていませんか?それは、脚本の延長で、小説とは根本的に違うと思います」

 その通りだったので、赤面した。ぼくには小説は書けないのだろうかと一晩悩んだ。(まるで高校生ですな)

「それが悪いとは言いませんが、あなたはアイドルなんですよ、思考が」…アイドル、か。褒め言葉だと信じて、アイドル小説家めざして頑張ることにしよう!

 朝倉薫の少女人形舞台も、第四回目になります。6月2日は、是非メリーココへお越し下さい。13時半の始まりです。

人形幻想私語

 ふと、人形を作る人の気持ちを思ってみた。

人形を作るとき、人間らしく作りたいのか、それとも、

人形らしく(例えば極端な体形、デフォルメしたメイクなど)作りたいのか、はて、どちらなのだろう?

ぼくは、人間で人形に見せかけた写真を撮ったことがある。そのときは、わざと、手首の関節をつくったり、肌を無機質に見せるようなメイクにしたりと、人形に見せたくてあれこれ工夫した。

 人形師にもいろんなタイプがあるので、一概に決め付けることはできないだろう。少なくとも、ぼくの少女人形舞台は、人形になりたい少女が人間のように歌って踊る(人形になりきれなくて悩む少女がいたり、人形なのになんで人間の気持ちを理解しなきゃいけないのかと思う少女がいたり)という幾重にも倒錯したドラマがあるので、より複雑である。だから、かえって、人間で人形の写真を撮ろうとしたときのような、あざとい工夫は一切必要ないと思う。

 少女たちが人形になりきっていたら、ぼくは縁側で妹と遊んだ人形遊びの延長で物語を書き、演出をすればよいのだ。それが、少女たちにとっても、ぼくにとっても、一番難しいことなのだが…。6月2日の幻奏の宴がどんな仕上がりになるか、稽古もあと数日、お楽しみに。

 

こんな朝は

 寝るのが勿体ないような天気の朝です。かといって、少し眠っておかないと、

今日はニコニコ動画生放送”アイドル夜の朗読会”です。
脚本・演出で参加しているので、

毎週水曜日は17時から22時までスタジオに入って、

今のところ原稿の遅れもなく、規則正しく流れています。
 3ヶ月間続くのですが、あまり考えないようにしています。

これを乗り切ったら、規則が苦手な体質も改善されるかも知れません。
 昨日の少女人形舞台の稽古で、萱沼千穂さんの「あの日の青い空」を初めて聴きました。6月2日の舞台でお披露目してもらう新曲ですが、なかなか良い感じの仕上がりです。

「胸の中の小鳥」「胸の中の砂丘」と、胸の中シリーズ?

が二曲あるので、3曲目「胸の中の〇〇」を作ろうと思います。

銀河、宇宙、海、ラヂオ、天空、回廊、使い古された言葉でも、

イメージが広がる言葉はたくさんありますが…。
小鳥はか弱い生き物、砂丘は荒涼とした無人の大地、

胸の中にあると、イメージが広がります。

次は形而上的な言葉が面白いかも知れませんね。

何が良いでしょう?

ピグメリアン、BLUE DEVIL、ジオラマ、

マルテ、ノクチュルス、フィガロ、

こうして横文字を並べると、急にローレンス・スターンが読みたくなってきます。

それでもぼくは、少し眠らなければならない。

胸の中には幼い日のゆりかごが一番似合うような気がしますが、

それでは歌にならないかな。眠ってしまってはおしまいですね。

では、おやすみなさい。

起きたら!

驚くことではないが、起きたら電気が停まっていた。

でも今日は明るかった。…天気がね。

 緊急事態だと友人にメールしたら、

”計画停電じゃないの?電気不足してるからね!たまにはローソクで暮したら?”

と、返事が来た。ぼくの部屋だけ計画停電ってあるのかな?

締め切りの原稿は今朝方送っておいたので、とりあえず稽古に出かけよう!

明日はニコニコ生放送「夜のアイドル朗読会」も3週目になる。地味な話だが、アイドルが読むには王道のつもりで書いている。高校で走り高跳びやっている小柄な少女の成長するのかしないのか、の話。

dsc_1876.JPG福留淳一さんとリハーサル中、眼鏡がずり落ちそうな瞬間!

 福留さんもいつもはリードボーカル、ぼくも勝手に歌うほうで、

ふたりそろって完全バックバンドの経験は初めて。おそらく、最初で最後であろうギターデュオに、歌手で声優の萱沼千穂さんが命名してくれたのは「ダンディブラザーズ」

何とか無事に伴奏を勤めることが出来てよかった。

「いい勉強になりました」

福留さんのにこやかな言葉に、気軽に誘ったぼくとしては、ほっとしました。自分で勝手に歌っているほうがどれだけ楽なことか、思い知らされたステージだった。いつも、ああ弾いてよ、こう弾いてよ、と、演奏に注文をつけているのだからね。神津さんや金太くんに”ありがとう”って言わなきゃね。

 そんなわけで、稽古を西本嬢に任せていた少女人形舞台のショー「雨と薔薇の六月」も一週間後に迫った。今日から毎日稽古場通いです。

6月2日13時半開場(開場時からパフォーマンスあり)、14時開演、場所はサクラフルール青山のメリーココ(渋谷駅から金王坂を徒歩5分)、少女人形たちの織りなす不思議なパフォーマンスのひと時、是非お越しくださいませ。出演、満月あいり、澤田樹里亜、木下詩乃、西本早希、またか涼、梁島惇子、伏見梨沙、他(ゲスト・萱沼千穂)

ニコニコ動画の臨場感

 造形する脚本・演出家麻草郁(あさくさかおる)くんとの脚本・演出共演で始まったニコニコ動画「アイドル夜の朗読会」、毎週水曜日21時からの一時間番組。

 なにやら忙しそうな麻草くんは、リハーサルが終って番組が始まると、いなくなる。週に一度会えるのだが、2,3分の立ち話しか出来ない。ぼくを避けている様子ではないが、本当に忙しいのだろう。

 SFが得意なので、今日はハインラインの「夏への扉」をふってみた。打てば響くといった具合に話が弾むので、面白い。先週、昼に秋葉原だったら少し時間があるといわれたが、夜が明けてから寝て昼に起きるぼくの生活では、昼に秋葉原まで出かけるのは無理なので断念した。

 今日はUディレクターのミスで、決定稿ではなく第一稿がリード画面に出ていたのに本番直前まで気付かず、読み手の伊藤優衣嬢に迷惑をかけてしまった。Uくんも、月曜から金曜まで生本番が続いているので、責めるのは気の毒だ。しかも、番組が始まったばかりだというのに、ギターを弾きながら読んでくれなどと無体な演出をするものだから、優衣嬢の緊張も倍増した。来週は、もっとスムーズに進行できるよう、原稿も含めて頑張ります。よろしかったらニコニコ動画を覘いてください。無料だそうです。

扉が開けば

  作曲家の書いたメロディに詞をつける”曲先”の場合はメロディありきなので、制約はあるが作業は早い。もっと早いのは詞先、つまり勝手に詞を書いて作曲家がそれに曲をつける場合だ。1番と2番の字数が多少違っていても、作曲家がうまくメロディをのせてくれる。

 もっと早いのは、出来不出来を問われないなら自分で作詞作曲する作業だ。平安、鎌倉の今様から続く歌謡曲の系譜は途絶えてはいない。この歳になって誇りをもてるようになったが、20代の半ば、初めてぼくの作詞作曲がレコードになったとき(歌・牧葉ユミ「酔っ払ってみたい」)、喜んで報告した(高校時代から作家を目指して切磋琢磨していた友人)Mくんに「何だ、きみは戯れ歌を書くようになったのか」と蔑まれ、意気消沈した記憶は消せない。ずっと引き摺って生きてきて、今思えばバカバカしくも切ない。

 人によっては創作は”降りてくる”という表現をするが、ぼくの場合、”扉が開く”という感覚だ。脳に書斎があるとすると、すっと開いて、物語が始まる。やっかいなのは、この扉が自由自在に開いてくれないことだ。一日待っても開かないこともある。3日間くらい開き放しの時もある。

今?稽古は始まっているというのに、朗読劇の台本があと4本書けていない。2日ばかり扉が開いてくれないのだ。ぼくはギターを弾いたり、無理やり友人を誘って食事に出かけたり、作らなくてもいい歌を書いたりしている。戯れ歌という表現も今思えば、洒落た言葉だ。昔の今様は、それこそ戯れ歌だったのだから。猿楽、田楽、芸能の始まりは、神であれ人であれ楽しませようとして作り出されたものだ。

 そういえば、古事記にもある”私は、はこの後俳優(わざおぎ)の民となって奉仕しましょう” という海幸山幸のくだりは、いつ読んでも想像力をかきたてる。それに、岩波の今昔物語が5巻まで書棚にあって、その巻の三十一の三十七話まで、ゾクゾクするような話が満載だ。創作の扉が開かないと、ぼくは、つい読むほうに遊んでしまう。

 

 

アイドル夜の朗読会(ニコニコ生放送)

告知です。ニコニコ動画の生番組で朗読脚本を書きます。

毎週の放送なので、外国放浪企画はしばらくお預けです。

新人女優伊藤優衣 嬢の成長が楽しみです。

5/16(水)夜9時~ニコニコ生放送【アイドル(生)放送局】『アイドル夜の読書会』

毎週水曜日の夜は人気ライトノベルなどを朗読するアイドル夜の読書会。清純少女の朗読で妄想を楽しみましょう。

脚本・演出家による『こもれび物語』作:朝倉薫、

『現実図書館・第七倉庫イクリプス』作:麻草郁などオリジナル作品にも注目。

▼番組ページ、タイムシフト予約はコチラ

http://live.nicovideo.jp/watch/lv92700776

▼出演

MC:渡部優衣

語り手:伊藤優衣、柴小聖、神坂美羽

オリジナル脚本:朝倉薫、麻草郁

ぼくの書く話は、レトロな、陸上部の高飛びで頑張る女の子のお話です。良かったら、是非ご覧下さい。

旅の季節

 五月は旅の季節。

旅の途中で、和歌山紀美野町に在る”りら創造芸術学園を紹介してもらった。のどかな山あいで、年間40回を超える舞台芸術発表をしているという高校生の顔は生き生きと輝いていた。

 短い時間だったが、朝倉メソッドを紹介して、昼食は生徒たちと同じメニューを食べさせていただいた。校長先生の笑顔も素敵だった。

 毎年秋に開催される世界民族際には、20カ国3000人以上が集まるらしい。再訪を約束してりらをあとにした。紹介してくれたSさんに感謝である。

 旅には面白い出会いが待っている。偶然を装った”あらかじめ定められた出会い”と思える、お互いに旧知の仲だったような出会いは心が温かくなる。りら創造芸術学園は、そんなところだった。