冬の晴れた日曜日

 舞台「マケイヌバー」のご案内状を書くのが遅れて焦っているところへ、意地悪なジャーナリストから”ご飯食べよう”とメールが。

 ”新宿だったら抜け出せる”と返事を送ると、”じゃあ、またね”だって。六本木から出るのが嫌らしい。仕方がないので案内状を書き続けた。深夜、興行師のTさんとロイドで一服。そして、案内状書きを続けていると、日曜日の朝が来た。

 冬の晴れた日曜日、薄靄がかかって、毎年見る東京の冬景色になった。嗚呼、流れているのか流されているのか、こうして時間が過ぎて行く。伊東屋に封筒を買いにいくので”銀座で会おう”と、件のジャーナリスト氏にメールをしたら”お元気で”と返事が来た。本当に面白い人だ。人生で出会った{変人ベスト3}に輝くひとなので、大切にお付き合いしなければと、時々思う。

 

こりゃ旨いだろう!

p2011_1124_114138.JPG「男の缶詰料理」と自称するぼくの自炊料理の中でも、ベスト10に入るのが出来た。名付けて「サンマの釜飯」

 「峠の釜飯」の釜は、何故か捨てきれず幾つも台所に溜まっている。いつの頃からか、一合焚きのその釜はひとり暮しには便利な炊飯器となった。中火で10分、噴き出したら弱火で5分、火を消し蒸らして5分、旨い飯が炊ける。

 今回は炊き上がった飯にサンマの缶詰を乗せ卵でとじて電子レンジで3分、ご覧の釜飯が出来上がった。硬めの飯にサンマのタレが程よくしみこんで、これこそ「男の缶詰料理」と自画自賛しながら食した。

 他人に食べさせる料理ではないのでいつも好き勝手作っているが、時折訪れる劇団員が絶賛するので、レシピが増えていく。勿体ないのでメモしておけばと言われるが、そこまでの料理ではない。さあ、稽古にでかけよう!

稽古場日記のような

 舞台「マケイヌバー」で時種町子を演じる塩山みさこ嬢が、自分の台詞ではないが大好きといってくれた台詞のひとつが、神戸城児(西畑春之介)の元妻丹羽春美(渡部彩)の「人生なんて、どこまでも冗談だったらいいのに」だった。二つ目は女優伊武京子の「芝居続けていて、ほんとによかったな」だと、今日聞いた。

 「芝居続けていて、ほんとによかったな」は、5年10年では実感できない台詞かも知れない。12歳の子役から芝居を続けている塩山みさこ嬢だから実感できるのだろう。自分の役ではない台詞まで真剣に考えてくれる誠実さが、ぼくが塩山みさこ嬢の芝居を好きな理由のひとつだ。

 確かに芸が達者なら口先だけで観客を感動させられるかも知れない。ぼくの中に、「そうじゃないだろう?」という言葉がいつもある。日常ではどんなに人を裏切ろうが薄情だろうがかまわないが、芝居に対してだけは誠実であるべきだと思う。15年も一緒にやっている北原マヤ嬢だって、随分不器用だった。懸命に芝居を続けてきて今日がある。塩山嬢も北原嬢も、バカがつくほど芝居に対して誠実である。マケイヌバーの出来上がりが楽しみです。

渡り鳥の信号待ち

 

  突然だが、俳優として舞台に立つことになった。それも”世田谷シルク”(主宰堀川炎)は、ネクストジェネレーションと呼ばれる20代の劇団!

「やめなさい!」と忠告する友人、「面白そうだから演ったら!」と楽しそうな友人、持つべきは友と言うが、どちらもぼくを思ってのこと。

 しかし、頼まれて断るようなぼくではないので、無理なスケジュールを承知で引き受けた。
 

世田谷シルク冬の三都市はとツアー公演「渡り鳥の信号待ち」

 脚本・演出 堀川炎

公演日程 2012年1月19日~2月5日

       1月19日~22日 東京 シアタートラム

       1月28日~29日 札幌 シアターZOO

       2月 4日~ 5日 京都 ART COMPLEX1928

 今日はその稽古始め。稽古着に着替えてダンスシューズを履けば、40年も昔の「劇団未来劇場」の研究生だった頃を思い出して、胸にこみ上げるものがあった。

 この20年、自分の劇団で脚本を書き演出をして来た。俳優にあれこれ指図をする側からされる側に身をさらせば”これほどの孤独かと、今更ながら俳優を尊敬する。これから3ヶ月、その孤独を体験する。引き受けたからには、千穐楽の2月5日まで頑張らねば!

 明日はマケイヌバーの稽古。こちらは稽古も終盤となった。どちらも、芝居は楽しい。
 

稽古は進む

 12月公演「マケイヌバー」で、女優の付き人として登場する18歳の少女が生まれて初めてバーのカウンターでカクテルを飲むシーンがある。「伊武京子です、18歳です!」と自己紹介したあとのこと、名バーテンダー山辺進が彼女に作ったカクテルはバージンブルー。

「へえ、バージンブルーか。ピッタリじゃないか」と、オーナーの神戸城児。あまりの美味しさに一口で飲み干す伊武京子。初心な京子はバージンと名のつくカクテルがノンアルコールであることを知らない。

しかし、そのあとに「こんなに美味しいお酒はじめていただきました」という台詞がある。どうなのだろう?この場合、演じる女優もアルコールだと信じて飲んだ方が自然な演技になるのだろうか?

と、しばらくは、カクテルの意味を知らせずに稽古を続けた。幸い?女優はカクテルを調べていなかったので、酒の入った演技をしていた。そんな細かい演技まで見えるのが小劇場の面白さだ。しかし、稽古が進むうちに、その演技が面白く見えなくなった。ここからが稽古の面白いところである。どんなにいい芝居をしても、お客様に見えなければ何にもならない。永遠の繰り返しである。何処まで行っても終わりはない。真心込めて、精魂込めて、稽古を続けるしかない。

料理や庭造りもそうだと思う。味わう人や注文したした人が満足してくれるものを作る側も満足出来たなら、それが至福と言えるのだろう。

パンフレット撮影

 マケイヌバーの出演者が勢ぞろいしてパンフレット用写真撮影となった。昼は”さくらカフェ”をお借りして、夜はカフェバー”ロイドグランデ”をお借りして、一日がかりの撮影が終了。写真の出来上がりが楽しみだ。

 撮影の合間には台本の読み合わせをしたり、脚本解釈を論じ合ったり、出演者のやる気が見えて嬉しかった。脚本家としては、俳優が何処まで読み込んでくれているか気になるところだ。苦労して書いた台詞を精魂込めて読んでもらえるのは、脚本家冥利に尽きるというものだ。

 

これからマケイヌバーへ

 舞台「幕末ジャンクション」の千穐楽から一夜が明けて、今日からマケイヌバーの稽古に通う日々が始まる。12月6日の初日まで稽古は続く。借り物の稽古場だが、一ヵ月半通して借りてあるので、仮の装置も組み立ててあり、衣装、小道具も持ち帰りの必要がなく、いつでも使えて、久しぶりに自前の稽古場のような安心感がある。

 今回の設定は、スツールが6,7脚の狭いカウンターバーである。登場人物は8人、バーのマスターと客が6人、掃除のアルバイトがひとり、’84年のオープン日、’94年の10年目のある日、そして店を閉める’04年のある日、20年の歳月を40分ごとの3場で上演する。

 新人女優伊武京子役は、高橋明日香嬢と木下詩乃嬢のダブル出演。彼女たちは一回の稽古だが、絡みのある俳優は二回の稽古だ。それぞれの個性を生かした演出になるよう、稽古を重ねる。そうこうしているうちに本番まで一ヶ月を切ってしまった。では、今日も昼からの稽古に出かけます。

早くも千穐楽

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7月の旗揚げ公演「ライジングフラッグ」から脚本・演出と劇団協力で参加しているジェームストーンプロジェクトの第二弾「幕末ジャンクション」も、13日の日曜日、今日が千穐楽となった。

 今回も短い稽古期間でありながら全力でぶつかってくれた青年たちに敬意を表したい。幕末の激動を生きた新撰組や勤皇の志士、京都の老舗旅館を守ろうと懸命に働く丁稚たちを演じる彼らが、ぼくの目にはタイムスリップして幕末から飛んで来たように思えるのは褒めすぎだろうか。

 舞台は美しくて儚い。ぼくの夢は明日で終わり、青年たちはそれぞれの場所へ羽ばたいて行く。初恋も初舞台も一生に一度の体験、彼らの舞台を心に焼き付けるとしよう。日曜日の14時から1時間半、お時間の許される方は、是非、池袋シアターKASSAIへお出かけくださいませ。不思議な幕末の仲間がお出迎えします。

同時に臨死体験?

 公演中の「幕末ジャンクション」は、公演中にガス爆発事故で病院に担ぎ込まれたバンドのメンバーが必死で死神と戦うSFアクション時代劇!

 沖田総司と坂本龍馬、どちらが天使でどちらが死神か、それは観てのお楽しみ。脚本を書いたぼくも疑問なのだが、いくら仲が良くても、同時に臨死体験をすることがあるのだろうか?

SFやファンタジーだとそこが便利である。タイムワープだの時空のゆがみだの、知ったふうに書いている。どこまで知っているのだと言われると、それも疑問だが…。面白い脚本を書きたいと思う気持ちが、勝手なことを書かせてしまう。

 新撰組のダンス!は、必見です。是非、池袋シアターKASSAIまでお越し下さい。13日日曜日が千秋楽です。

幕末ジャンクション初日!

 はらはらドキドキのゲネプロをやって、今日は「幕末ジャンクション」の初日。全員が新人なのだから、結果を恐れても仕方がない。思い切ってやるしかないのだ。が、しかし、刀を振り回しての殺陣!、新撰組の羽織袴でのストリートダンス!階段の逆さ吊り!演出するぼくの方が身も縮む。ご覧いただくお客様に伝わるよう、全力で頑張りましょう!

 何とか怪我人も出ないでここまで漕ぎつけたので、無事に初日の幕が上がることを祈ります。では、出陣!