花粉症とは!

 3月公演「LOVE ME DOLL」の稽古初日。マスクをかけて稽古場に出掛けた。

正体は風邪ではなく花粉症だった。昼食に寄った「さくらカフェ」で、僕と同様、急に花粉症に襲われた方に出会わせ、お互いに納得しあった。わが身が体験して初めてつらさがわかるなんて、想像力が足りないと思うが、花粉症もかかって見なければわからない。そりゃあ、虫歯の痛み同様、同情はいくらでも出来るけどね!

 稽古は思った以上に順調だった。まだ本読みの段階である。楽しみながら仕上げていけたら文句はない。この調子だと、荒立ちで本はいらなくなりそうだ。そのうち、出演者の横顔を紹介して行きたい。しかし冷え込みが厳しいな。皆さん、風邪にご用心を。

雨の表参道

201002011532000.jpg酒を飲まずにいられなかった頃、夜更けて通ったのが、青山キラー通りにあった2NDラヂオだった。酒に溶けた金と色恋に散った金のどちらが多いか、友人と他愛無い話をしては、寡黙なマスターの顰蹙をかったりした。若かったと一言で流せばそれまでだが、時に漂いながら今日も生きている。雨はみぞれ混じりとなり、夜半には雪に変わるらしい。久しぶりにラヂオを覗いてみたくなった。

ヨコハマ山下町

201001301912000.jpg201001301624000.jpg201001301616000.jpg京浜東北線を山手で降りたのは午後の4時過ぎだった。ぼんやりしていた訳ではない。山下公園に向かって、元町を抜けて歩いてみたかったからだ。
夢は夢でしかない。それは解っている。人間の脳は、一瞬にして記憶を繋ぎ合わせたり、他人の情報を取り込んだりする。夢で失くしたものが現実で見つかる訳がない。横浜とヨコハマは違う街なのだ。幾つもの路地を抜け、坂道を登り降り、山下町に着いた時刻には西の空に月が昇っていた。夢の路地は見つからなかった。迷路の行き止まりに寂れた宿があった。確かに上海の南京大路にあるはずの旅宿だ。僕は迷わず、扉を開けた。夢の続きが始まりそうな予感が、僕の背中を押した。

少女人形舞台

少女人形舞台 LOVE ME DOLL 「男だって人形になりたい時があるさ」

青山2ラジオのカウンターで、少女人形舞台のコンセプトを熱く語った僕に、長い付き合いのYがウィスパー42%の低音で呟いた。

「違うんだなあ、願望じゃあないんだよ。美少女たちが、人形となって舞台に生きるんだよ。見えないガラスの糸に操られ、見えない薔薇の迷宮を旅する美少女たちが、観客と一体となったとき、絢爛の世界がその姿を現世に現すんだ!」

「弥勒菩薩の降臨かよ。お前、マティニー一杯で悪酔いしたのか?」

「悲しいなあ、お前には美少女だけが作り出す芸術の世界が理解出来ないのか」

「そんな夢ばっかり見てるから、ビンボーなんだよ」

 酒も食事もご馳走になってばかりいる僕は、それを言われると何も言えない。

こうなったら、現実の舞台を作って見せてやるしかない。

あの青山の夜から3年が過ぎた。

 たくさんのプロダクションさんの協力で、出演者が決定し、昨日顔合わせに漕ぎつけた。2月2日、3日の新宿ホリディでの前夜祭から、稽古に入り、一歩一歩実現に近づいていく。そして、3月17日、銀座みゆき館劇場で「少女人形舞台 LOVE ME DOLL」の幕があがる。

 長い道のりかつかの間の出来事か、それは終わってから考えることにしている。観念と感覚が違うように、あらゆる物事には原因と理由が存在する。ポストが何故赤いか?と問われて、目立つように、と答えるのは理由であり、赤いペンキで塗ってあるから、と答えるのは原因である。

 遅刻して、上司に何故遅刻した?と問われて、電車が遅れて、とか、寝坊して、と答えるのは原因である。当然上司は怒る。しかし、理由は言えない。もっと怒られるだろう。何か面倒くさくて、とか、急ぎたくなくて、とか、会社面白くないもん、などと答えられるのはポケットに辞表がある時くらいだろう。いや、それでも、本当の理由はなかなか言えない。おっと、話が脱線してしまった。

 人は経験から学ぶことが沢山ある。稽古途中でイライラ怒っていた僕も、原因と理由の二つの答えを考えるようになって、随分穏やかに過ごすことが出来るようになった。だからといって、それが成長だとも言い切れない。まだまだ、やらなければならないことは山ほどある。今日も一歩、ようやく進んだだけだ。

携帯電話からの投稿テスト

200704211539000.jpg携帯電話からの書き込みテストです。写真も添付してみた。無事に投稿出来たら、書き込みが増やせる。が、面倒なので、慣れるまで無理だろう。

真情は吐露するものにあらず

筆者近影 

 悪名高いヘッドロック氏から”ビンボー作家”という有難くない肩書きを貰って数年、何の因果かホリディブログへの登場である。いくらか長く生きているので、逸話には事欠かないが、面白いかどうかは読まれる方に判断していただきたい。って、誰が読むのか全く想像も出来ないブログを書かせる方も書く方も乱暴な話だ。

 昔、船に乗っていたときのことだ。大時化(おおしけ)に遣られて船が難破して、着の身着のまま真っ暗な海に投げ出された。もう助からないだろうと諦めかけたんだが、生存本能というのか、気付いたら流れてきた船の破片につかまって泳いでいた。何時間も経たないうちに、嵐は嘘のように静まって、ガラスを張ったように凪いだ海を、天空から月が煌々と照らしていた。するとそのとき、何処かで誰かが俺の名前を呼んだ。船の生き残りの奴かと思ったんだが、どうも女の声みたいだ。声のするほうに目を凝らした。女だ、波間に見え隠れしながら手を振ったのは、長い巻き毛の若い女だった。近寄ると、俺を抱きかかえて驚くような速さで泳ぎ始めた。まるで足に尾びれでもついてるみたいだった。小一時間も泳ぐと、女は小さな入り江に着いた。やしの木の木陰、草の褥(しとね)に俺を寝かせると、女はにっこり笑って俺を覗き込んだ。まるで、昔からの付き合いか、恋人を見るような目だった。

 俺は、そのとき初めて女の下半身を見た。水際でピチャピチャ音を立てているのは、青い鱗で光る尾びれだった。

「お前は誰だ…」そう訊くのが、精一杯だった。

女は答えた。「マリィ、マ、リ、ィ」

 喉が渇いた。一杯飲ませてくれ。

 2月4日、19時から、新宿ホリディで映画監督保坂延彦氏を口説いて俳優に挑戦させた映像と舞台劇のコラボで、新人女優高橋舞嬢との二人芝居を上演することになった。保坂監督は、現在、寒風の海で高橋舞嬢を主演に映像を撮影中だ。初の試みなので、どんな舞台になるか楽しみである。同時上演は朝倉薫演劇団在団10周年の佐藤龍星主演のDENKA(一幕)。